取扱い書籍

  • アート

映画をめぐるディアローグ 

ゴダール/オフュルス全対話

価格:2,420円(税込)

【概要】
著者:ジャン=リュック・ゴダール/マルセル・オフュルス
四六判並製・168ページ
出 版 社:読書人
ISBN13:978-4-924671-54-6
発売日:2022/10/6

映画をめぐるディアローグ 

内容・概要

『映画をめぐるディアローグ ゴダール/オフュルス全対話』

著者:ジャン=リュック・ゴダール/マルセル・オフュルス

===================
四六判並製・168ページ
出 版 社:読書人
ISBN13:978-4-924671-54-6
====================

「知らぬ間に周縁化してしまうゴダールは、その点においてマックス・オフュルスの正統的な弟子である。そのゴダールが、マックスを父に持ちながら周縁化することを知らない実子マルセルと、いつの間にか『忘れじの面影』や『たそがれの女心』を論じてしまうという、行違っていながらも感動的な対話。必読である!」蓮實重彦(映画評論家)

映画監督ジャン=リュック・ゴダールと映画監督マルセル・オフュルスが映画について行った二回の対談(2002年、2009年)を採録したものである。ジャン=リュック・ゴダールは、ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として活躍し、現在も映画製作をつづけている。後者のマルセル・オフュルスは、やはり映画監督のマックス・オフュルスを父とし、主にドキュメンタリー作品を中心に制作を続けている。とりわけ、その名を有名にしたのは、『悲しみと哀れみ』(1971年公開、仏原題:Le chagrin et la pitié)である。この映画は、ナチス・ドイツ占領下のクレルモン・フェランという町(フランス)に着目し、1940-1944年の間の町の歴史・生活の再現を住民たちへのインタビューによって再構成を試みたものである。そこで普通の人々が語る事実が、それまで対独協力をなかったことにしていたフランス共和国にその忘却していた過去をつきつけ、歴史的な態度変更を促すことになった。それは映像というものが持つ歴史を動かす力を明らかに示すものであった。
ゴダールはずっと映像の持つ力の可能性とその無力さを考え続けてきた映画作家であり、彼がオフュルスに興味を持つのは必然であったと言える。両者は同じ問題意識のもとに、映像の可能性を対話の中で浮かび上がらせていく。

◆目次
序文(ヴァンサン・ロヴィ)
わが友マルセル(アンドレ・ガズュ)

第一部 メリエス座での対談(二〇〇二年)
マックス・オフュルスとビリー・ワイルダー/マックス・オフュルスの映画術/ジャン・ギャバンが走り出すとき/「人生とは運動なのよ」/渦巻きのようなカメラワーク/映画に風刺は存在しない/映画だけがなしうること/演劇からの影響/スタジオかロケか/『ホテル終着駅』の衝撃/ゴダールが推す四本の現代映画

第二部 サン= ジェルヴェ劇場での対談(二〇〇九年)
ゴダールとマルセル・オフュルスの青春時代/劇映画とドキュメンタリー映画の境界/無意識の政治性/エリザベス・テイラーと強制収容所/フィクションはドキュメンタリーのように、ドキュメンタリーはフィクションのように/映画と歴史の関係/ユダヤとは何につけられる名前なのか/ゴダールの自由過ぎるやり方/作家主義とは何か/映画の消滅?/ハリウッドで映画を撮ること/パレスチナとイスラエルで映画を撮ること/ゴダールのナチス・ドイツ体験/シネマトグラフの無意識

わが友ゴダール(ダニエル・コーン=ベンディット)

訳者あとがき


◆著者プロフィール
ジャン=リュック・ゴダール=フランス/スイスの映像作家。映画批評家から出発し、1959年、長編『勝手にしやがれ』で監督デビュー。ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として『女と男のいる舗道』、『アルファヴィル』、『気狂いピエロ』等で世界の映画界に多大な影響を与える。ベトナム戦争期から政治闘争に向かい、『中国女』『東風』等を制作する。1980年の『勝手に逃げろ/人生』で一般映画に回帰し、『パッション』、『右側に気をつけろ』等を制作する。1990年代には映像の一大叙事詩『ゴダールの映画史』を発表。21世紀に入っても勢いは衰えず、テレビ番組を手がけるとともに、映画『愛の世紀』、『アワーミュージック』、『さらば、愛の言葉よ』、『ゴダール・ソシアリス
ム』、『イメージの本』等を発表。2022年現在も新作を準備中とのこと。1930年生。

マルセル・オフュルス=フランス/アメリカ合衆国のドキュメンタリー映像作家。父は映画監督のマックス・オフュルス。ユダヤ人家系として生地ドイツで暮らしていたが、ナチスの台頭を受けて、1933年に家族でパリに移住。さらに1940年のパリ占領を受けて、スペイン経由でアメリカ合衆国に家族で脱出。戦後はフランスに帰国し、トリュフォーの助力で、商業映画『バナナの皮』の監督として名前が一時知られるが、映画界
では次第に忘れられていく。その後、フランス国営放送(ORTF)でドキュメンタリー番組の制作を始め、『ミュンヘン』で頭角を現す。1969年に制作した『悲しみと哀れみ』が国際的に大きな反響を呼び、『ホテル終着駅』で評価を決定的なものとする。フランス国内のテレビでは放映禁止の辛酸を何度か嘗めたが、2012年にはレジオン・ド・ヌール勲章(コマンドゥール)を授与され、フランス国家からも正式に聖別される。同年にはパリ・シネマテークでの特集上映が行われ、その評価は高まるばかりである。1927年生。

一覧へ

映画をめぐるディアローグ 

価格:2,420円(税込)

商品を購入する

Paper & Back number

「週刊読書人」紙面版のご購入およびバックナンバーのご購入・定期購読のお申し込みはこちらから

Contact Us

「週刊読書人」に関するご相談・お問い合せは専門フォームにてご連絡ください。