黒いハンカチ

A女学院のニシ・アズマ先生が太い赤縁のロイド眼鏡をかけると、たちまち名探偵に変身する!

飄飄とした筆致が光る短編の名手による連作推理全12編


住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。

【収録作】

「指輪」

「眼鏡」

「黒いハンカチ」

「蛇」

「十二号」

「靴」

「スクェア・ダンス」

「赤い自転車」

「手袋」

「シルク・ハット」

「時計」

「犬」

あとがき

解説=新保博久

著者 小沼丹
出版元 東京創元社
頁数 232頁
発行日 2003-07-11
ISBN13 9784488444013
ISBN10 4488444016

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