存在の秋
ムササビ飛び交い、魑魅ざわめく夜。かすかな風がそよぎ、杉木立ちに木洩れ日の射す昼。古代、そして中世の古俗・伝承に色濃く隈取られた霊異の地・吉野に生まれ育ち、暮らし続ける現代短歌界の巨匠が、静かな生活の中で、四季の移ろい、花鳥の奥に山河慟哭の声を聴く。現代文明の中で見失った人間の魂を呼び覚ます山住みの思想と、詩心溢れる好随筆集。―いったい人間存在のゆたかさとは何であろうか。
著者 | 前登志夫 |
出版元 | 講談社 |
頁数 | 262頁 |
発行日 | 2006-09 |
ISBN13 | 9784061984547 |
ISBN10 | 4061984543 |