ニーズ・オブ・ストレンジャーズ

「権利が満たされているにもかかわらず、魂は恥辱にまみれている」人びとがいるのはなぜか?人には、愛情と尊敬をもって遇されたいというニーズがあり、また精神的慰謝や帰属感に対するニーズもあるが、それらは単なる「権利」によって満たされるものではない。「見知らぬ他人」のそういったニーズに応えること、それは「役所の仕事」なのだろうか?著者は、聖アウグスティヌスからルソーにいたる人間的ニーズの変容をめぐるヨーロッパ精神史の再解釈をとおして、福祉国家において人びとが品位をもって「共に生きる」ための条件を浮き彫りにする。市場教の神官サッチャーによる改革がもたらした荒涼たる英国社会の風景の中で、しかも「頑固にリベラル」をつらぬきながら。
著者 マイケル・イグナティエフ
出版元 開文社出版
頁数 267頁
発行日 1999-02
ISBN13 9784938662363
ISBN10 4938662361

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