人間であるという運命
思考が根源か、存在が根源か、現実に生きなければならない人間にとって、そんなことはどうでもいい。問題は、思考が存在を措定しえず、存在がまた思考を措定しえない、「存在と思考のあいだの、意識と生活のあいだの区別を痛切に感じ」ざるをえない生き方自体にあり、その生き方を、「痛切な感じ」を主体的に捉えること、この「感じ」を生き方として実践として捉えることにある。世界を「解釈」してきただけの哲学はこの点で「変わる」し、また世界を「変える」哲学は、この人間の生き方自体にしかないのではなかろうか。
著者 | 対馬斉 |
出版元 | 作品社 |
頁数 | 248頁 |
発行日 | 2000-07-15 |
ISBN13 | 9784878933547 |
ISBN10 | 4878933542 |