力と他者

レヴィナスの他者論に触発され、その含意を時にはレヴィナスを超えて考え尽そうとする。ここで著者がテーマとするのは倫理の次元はどこにあるのかということである。この世界は物理学が描くような力の世界である。これに対して理性や言葉や倫理などはどういう位置を占め、どこから発生し、どう権利づけられるのか。力の世界を成立させている外部(他者)を探し、現実を下支えしている可能性の総体を厳密に考える。ホッブズの政治哲学などを素材としながら、思弁の力によって切り拓かれた新しい世界。つまりこれが哲学である。
著者 斎藤慶典
出版元 勁草書房
頁数 250頁
発行日 2000-11
ISBN13 9784326153497
ISBN10 4326153490

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