クレモニエール事件
1988年、フィリップ・クレモニエールは妻殺しの罪により15年の禁固刑に処せられた。父の無実を信じる娘マリ-エレーヌは、冤罪を晴らすため、青春の全てを賭けて司法との闘いに立ち上がる。1996年、ついに再審が開始され、世紀の冤罪裁判に判決が降りた。勝利を手にし、マスコミの寵児となった父と娘。だが父親は沈黙と無気力に沈み、部屋に引きこもる。何が不満なのかといぶかる娘は、弁護士との遅ればせの恋愛に現を忘れ、しだいに父娘の関係は軋み始める―。巧みな心理描写から生の愚かさを浮きぼりにする。物語巧者トロワイヤの真骨頂とも言える秀逸な作品。
著者 | アンリ・トロワイヤ |
出版元 | 草思社 |
頁数 | 197頁 |
発行日 | 2004-02 |
ISBN13 | 9784794212849 |
ISBN10 | 4794212844 |