日本のマラーノ文学

「マラーノ」という侮蔑的表現を裏返し、それを隠れユダヤ人を示す歴史的用法から解き放ち、より普遍的な意味で、ひとが本来の出自を社会的に隠して生き延びねばならぬ状況一般に用いることははたして可能か。在日朝鮮人、被差別部落出身者等々をあえて「マラーノ」と呼ぶことで、ありえぬ想像上の自我のもとに説話の主体を引き受けるという、文学の本質に触れる意欲的な新ジャンル論。
著者 四方田犬彦
出版元 人文書院
頁数 233頁
発行日 2007-12

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