ニュースはどのように理解されるか

メディア報道とニュースの受け手の理解との乖離はどこからくるのか。

▼南アフリカの人種問題、戦略防衛構想、エイズ、ブラックマンデー、麻薬乱用の5つのニュースに焦点を合わせた実証研究により、ジャーナリストによるニュースの「意味づけ」と、視聴者・読者の「解読」の緊張関係を明らかにしたニュース研究の必読書の翻訳。(原著:Common Knowledge: News and the Construction of Political Meaning, 1992, The University of Chicago Press)
▼私たちの「世界理解」はマスメディアに大きく依存している。また、ジャーナリストたちは、この世界を意味づける「特権」を持っている。だとしたら、私たちはジャーナリストたちの「言いなり」なのだろうか。もちろん、答えはノー。なぜなら、視聴者や読者は、ニュース報道の内容を自らの興味関心に従って解釈し直しているはずだからである。
▼フレーム(物事を解釈する枠組み)が「メディアと読者・視聴者の間で大きくズレている」ことを明らかにし、そのズレを生み出すものを探ることにより、従来のメディア研究に修正をせまる重要な一冊であり、新聞・テレビ・雑誌の特性についてもそれまでの常識を覆す結論をつきつけた、話題の書。
著者 アン・N.クリグラー
出版元 慶應義塾大学出版会
頁数 244頁
発行日 2008-10
ISBN13 9784766415582
ISBN10 4766415582

関連記事