摩天楼とアメリカの欲望
近代建築史においては、「高層の商業ビル」としてほとんど等閑視されてきたアメリカの超高層ビル、摩天楼。一九世紀末から二〇世紀初頭にかけて、熱帯雨林の突出木のように出現した摩天楼は、アメリカの富とビジネスの象徴であるとともに古来、聖なる山や宇宙樹、バベルの塔などに託してきた人類普遍の夢の象徴でもあった。「商業の大聖堂」を建てた百貨店王フランク・ウールワース、「世界最高にして世界の中心」の自社ビル建設をめざした新聞王ジョゼフ・ピュリッツアーなど、世俗の権力欲と霊的昂揚への憧憬のダイナミズムをあわせもつ摩天楼の魅力に迫る。
著者 | トーマス・ファン・レーウェン |
出版元 | 工作舎 |
頁数 | 383頁 |
発行日 | 2006-09 |
ISBN13 | 9784875023975 |
ISBN10 | 4875023979 |