激情と神秘
「アポリネール以来最高の現代詩人」と称され、20世紀の神秘家として、激情とともに時代を駆け抜けた「最後の形而上詩人」の肖像。その詩文の秘教的な難解さのゆえに、これまで登攀を試みる者のなかった孤高の巨峰に挑む。形成期においても、シュルレアリスムからの離脱に際しても、また対独レジスタンスに身を挺した折りにも、つねに超自然的な詩的神秘の気圏のうちを生きた精神の年代記を縦糸に、カミュ、ブランショ、バタイユ、ハイデガーといった互いに響き交わす同時代の思想家たちと、またブラック、ピカソ、ミロ、マティス、ブレーズら、形象と音楽とで共働した画家たちとによって作られた希有な精神のトポスを横糸として、形而上的ポエジーの秘密に肉迫する。20世紀精神の未知の断面を開く、初の本格的な詩人論。
著者 | 西永良成 |
出版元 | 岩波書店 |
頁数 | 392頁 |
発行日 | 2006 |
ISBN13 | 9784000227506 |
ISBN10 | 4000227505 |