ミシンと日本の近代
日本の家庭に入った第一号ミシンは、ジョン万次郎の母親への土産物だった。そして1920年頃までには、アメリカのシンガーミシンが無敵の存在になる。独特の販売システムを確立し、割賦制度も浸透させた。太平洋戦争は「もんぺ」をきっかけに、洋装への移行を一気に加速させた。そして戦後になると、「内職」にミシンを「踏む」女たちの意識は、1950-60年代以降の「中流意識」の膨張に連動していく。ミシンはこの多種多様な「近代」という経験を、すべて見ていた。一つの「モノ」に即して、消費者の側から、経済・社会・文化を語る画期的な歴史。
著者 | 岩崎駿介 |
出版元 | みすず書房 |
頁数 | 348頁 |
発行日 | 2013-07-23 |
ISBN13 | 9784622077701 |
ISBN10 | 4622077701 |