現代思想からの動物論
人文学では近年、動物というテーマが盛んに議論され、脱人間中心主義へと向かう現代の思想潮流とも響き合い、ますます熱を帯びたものとなっている。本書はその流れに決定的なインパクトをもたらすだけでなく、あらゆる思想概念に根底的な再考を迫る理論的成果である。フーコー、アガンベン、デリダ、ハラウェイ、スピヴァク、キムリッカなど広範な思想家の理論を通し、「動物」という視角から主権や統治といった概念を批判的再審に付す作業は、現代思想の限界を示すと同時に、新たな可能性をももたらすものとなるだろう。人間と動物との暴力的関係を停止し、存在の新たな関係を構想する、力みなぎる一書。
著者 | ディネシュ・J・ワディウェル |
出版元 | 人文書院 |
頁数 | 404頁 |
発行日 | 2019-10 |
ISBN13 | 9784409031056 |
ISBN10 | 4409031058 |