レイシズム運動を理解する

女性たちにとって人種差別運動とは何か? アメリカにおけるレイシストの実態と、それを研究することの困難とは。米国右翼運動研究第一人者の初邦訳。

本書の著者ブリーは、1920年代のKKKと現代の人種差別主義運動、とくにそこに参加する女性についての調査で知られる、アメリカ右翼運動研究の第一人者である。しかし、その研究には独特の困難が伴っている。調査対象の見つけ難さ、信頼関係構築の是非、現場にみなぎる緊張と暴力による脅し......。運動の実態に迫ると同時に、調査における数々の問題に揺れる姿を率直に論じる、貴重な研究ドキュメント。

◎目次
序章人種差別運動を研究するということ――方法とレッスン

第一部恐怖・スティグマ・人種差別主義者を研究することの帰結
第一章敵を研究する
第二章極右研究を再開した理由
第三章白熱する調査――人種差別活動家のフィールドワークにおける感情的力学

第二部人種差別運動を研究する方法
第四章白人が白人に向き合う――白人至上主義女性へのインタビュー調査
第五章凡庸な暴力

第三部理論のレンズとテンプレート
第六章憎悪の位置づけ
第七章合衆国の極右とジェンダー
第八章白人至上主義と加害者研究――方法・解釈・倫理

第四部白人至上主義への参入と退出
第九章一九二〇年代のクー・クラックス・クラン運動と女性たち
第一〇章人種差別主義者になる――現代のクー・クラックス・クランとネオナチの女性たち
第一一章極右活動が個人に与える影響

第五部今後の研究にむけて
第一二章女性と組織化された人種差別テロリズム――合衆国の事例から
第一三章極右政党および極右運動の女性たち――オランダと合衆国の比較
第一四章空間と秘密の二重性――一九二〇年代合衆国のクー・クラックス・クランにおける友愛主義の事例研究

初出一覧

訳者解題
著者 キャスリーン・M・ブリー
出版元 人文書院
頁数 380頁
発行日 2022-06
ISBN13 9784409241462
ISBN10 440924146X

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