『荒地』を掘る

『荒地』の場合、「読むこと」は
「発掘すること」に他ならない!
同時代のアメリカの新聞紙面から
「トロイ」「ジプシー」「チェス」「インド」などの言説を探りあて、
エリオットが『荒地』という「廃墟」を作り出し、
「批評家」、もしくは、読者が「シュリーマン」よろしく、
そのテクストを「発掘」し、「廃墟」の全貌を「復元」する。
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【目次】
まえがき——本書見取り図

第I部 〈アーケオロジカル・イマジネーション〉の世紀と『荒地』
プレリュード
第一章 〈トロイ〉はいずこ?
第二章シュリーマン博士からの手紙/〈非現実の都市〉が現実に

第II部 『荒地』と〈ジプシー〉言説の系譜——「II ア・ゲーム・オヴ・チェス」を掘る
プレリュード—表層テキストに不在の記号〈ジプシー〉
第三章 『荒地』と、パウンドの詩集『ラストラ』所収の詩三作——「ザ・ジプシー」「ザ・ゲーム・オヴ・チェス」「メトロの駅で」
第四章同時代アメリカ紙にみる「ジプシー」言説

第III部 〈国家〉と〈国語〉
第五章 〈チェス〉言説と〈アフロディーテ〉
第六章 「民衆フランス語」とは何か?—ファクシミリー版『荒地』が提示する、国の再生と国語問題

第IV部 〈サンスクリット〉の考古学
第七章 「ガンガ」へと至る旅
第八章疑惑の旅行記とその「インド」言説—「贋作」暴露の時代
第九章 『荒地』形成過程と聖書正典・外典成立過程

おわりに——謝辞と本書誕生「秘話」
著者 荒木正純
出版元 小鳥遊書房
頁数 1150頁
発行日 2022-10
ISBN13 9784909812926
ISBN10 490981292X

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