諧謔の詩神
本書は十七世紀末から十八世紀前半にかけて英国で流行したバーレスク詩を読み解く試みである。バーレスクとは、叙事詩を思わせる高遠な文体で、些末な主題を歌うことにより、形式と内容の齟齬から生まれる「おかしみ」を狙うジャンルである。イギリスのバーレスク詩研究家ボンドによれば「ユーモアの本質は不調和にあり、それに模倣が加わると、結果としてバーレスクになる。バーレスクとは、文体と主題の間に不調和を生み出すことで滑稽なものとなった、生真面目な主題や手法を使用または模倣することで成り立つ。この形式と内容の不整合、語られることと語り口の対立こそ、バーレスクの必要条件である」と定義する。
著者 | 海老澤豊 |
出版元 | 音羽書房鶴見書店 |
頁数 | 520頁 |
発行日 | 2023-02 |
ISBN13 | 9784755304354 |
ISBN10 | 4755304350 |