川柳のなかの中国
日本人にとって、中国は長らく、その先進的な文化や制度を学んできた国だった。だが明治以降、先に「近代化」を果たした我が国は、中国に対する見方を徐々に変えていく。明治期新川柳運動を担った井上剣花坊、大陸川柳壇の石原青龍刀、東野大八、関西川柳壇の小田夢路ら、戦争に向かう時代にあって、批評精神を保ち続けた川柳人らの作品と生の軌跡を時代に沿って辿りつつ、市井の川柳人たちの膨大な作品を読み解くことで、近代日中関係史を庶民の視点から再構築する。
著者 | 中村義 |
出版元 | 岩波書店 |
頁数 | 290頁 |
発行日 | 2007-08 |