関和知の出世
関和知(1870~1925)は、東京専門学校(現在の早稲田大学)で人的資本を蓄え、卒業後は郷里・千葉で『千葉民報』記者となるもほどなく廃刊。自ら立ち上げた『新総房』で政論にジャーナリズムの効果を加え、千葉県改進党系のホープとして認知されていく。周囲に押されてイェール大学に進学、のちプリンストン大学に転じてウッドロウ・ウィルソンの講義を直に聴講するなどして学位を取得。帰国後に『萬朝報』の記者、ついで『東京毎日新聞』の編集長に就任し、第10回衆議院議員総選挙補欠選挙に当選。以後7回の当選を重ね、加藤高明内閣では陸軍政務次官に就任した。普通選挙の導入によって、「世論」を喚起し力に変え、政論を執筆し「輿論」形成に努める、二面性をもった大衆政治が本格化する趨勢を正確に捉えてパフォーマンスに徹した関和知を通じて、メディア議員の本質に迫る。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
著者 | 河崎吉紀 |
出版元 | 創元社 |
頁数 | 392頁 |
発行日 | 2024-03 |
ISBN13 | 9784422301037 |
ISBN10 | 4422301039 |