進化論の知られざる歴史

●人は古来、生命の多様性をどのように理解しようとしてきたのか?
それぞれの時代、それぞれの場所で、文化・社会の厳しい制約に抗って推し進められたたゆみない知の探求を辿る壮大なサイエンス・ヒストリー

●進化論は、何もないところに突然提起されたわけではなく、限りない想像力と、異端視を恐れない勇気を持った人々によって、何世紀にもわたって掘り下げられ展開されてきたものである。本書は、ダーウィンの『種の起源』出版に繫がった数多くの〈先駆者〉たちの苦難と曲折に満ちた足跡を辿る。

目にとまる全ての生物を分類し記録するべくレスボスの海岸を逍遥したアリストテレスから、砂漠の動物たちの多様な生態に神の叡知を見た中世イスラムの碩学ジャーヒズ、トスカーナの山頂の化石の存在に地球規模の水の循環を思い描いたレオナルド・ダ・ヴィンチ、さらには、秘密警察の監視の下で宇宙の始まりと生命の起源を考察したドゥニ・ディドロらを経て、アマゾンとボルネオの密林に種の変異の謎を探ったアルフレッド・ウォーレスに至る、傑出した自然学者たちによる、飽くなき観察と探究の歴史!

・「われわれ人間はどこから来たのかということについて、一人の偉大な理論家があらゆる疑問を吹き払う前に、いかに多くの傑出した人々が思索を巡らせてきたのかを示した、実に素晴らしい仕事だ」――『ガーディアン』
・「これは、人に生まれながらに具わった好奇心と探究心――あらゆる世代が持つ、世界と生命の創造の構造をさらに奥深く探っていこうとする止みがたい強迫――の共感に満ちた検証である」 ――『デイリー・テレグラフ』

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【目次】
まえがき
第1章ダーウィンのリスト――一八五九年ケント
第2章アリストテレスの目――紀元前三四四年レスボス
第3章ジャーヒズの信心深い好奇心――八五〇年バスラとバグダッド
第4章レオナルドと陶工――一四九三年ミラノ、一五七〇年パリ
第5章トランブレーのポリプ――一七四〇年ハーグ
第6章カイロの領事――一七〇八年カイロ
第7章哲学者たちの館――一七四九年パリ
第8章地下のエラズマス――一七六七年ダービシャー
第9章パリ植物園――一八〇〇年パリ
第10章海綿の哲学者――一八二六年エディンバラ
第11章スコットランドの啓蒙主義者――一八四四年エディンバラ
第12章アルフレッド・ウォーレスの熱に浮かされた夢――一八五八年マレー群島
後記
付記 「種の起源に関する考えの最近の進展の歴史的概観」チャールズ・ダーウィン
謝辞/原注/参考文献/索引/訳者あとがき
著者 レベッカ・ストット
出版元 作品社
頁数 480頁
発行日 2024-10
ISBN13 9784867930465
ISBN10 4867930466

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