詩的間伐

無化された「歴史」と、しかしなお「無化」自体が頑強な歴史性として顕われている現在の狭間で、本書の「対話」は成立している。言語的交通の不全においてなお、詩作しようとしているわれわれの現在の歴史性は、やがて遠い未来から俯瞰され、整理されるだろうが、いまはそのときではない(稲川方人)。僕たちがやってきたのは、詩の間伐のようなことじゃないかと思う。間伐地を作りながら、そのときどきの現在を語ってきた。俯瞰的な詩史的展望を断念して「現在」を語るときにだけ、そこに加担してくるもの、臨在するものがある(瀬尾育生)。詩の現在に対峙した8年間の集成。
著者 稲川方人
出版元 思潮社
頁数 388頁
発行日 2009-10
ISBN13 9784783716549
ISBN10 4783716544

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