いまここに在ること
国家は人の内面に平気で入りこみ、資本、市場、マスメディアと情報消費者が共犯関係を結ぶ。日常のなにげないルーティンを養分にして今風のファシズムが蔓延する現代。そこに拭っても拭いきれない罪や恥のにおいを嗅ぎつける著者が、屍臭に満ちた薄暗がりの内奥に眼をこらし、躰のすみずみまで広がる恥辱の根源を問いただす。抗いがたい死の足音を聞きながら、突きあげる衝迫にかられてなし得た思索の極限。
| 著者 | 辺見庸 |
| 出版元 | 角川書店 |
| 頁数 | 174頁 |
| 発行日 | 2010-04 |
| ISBN13 | 9784043417117 |
| ISBN10 | 404341711X |
