深沢七郎

 ★ふかざわ・しちろう=作家。

 一九一四(大正三)年一月山梨県生まれ。中学校卒。処女作の『楢山節考』で第一回中央公論新人賞を受賞し、デビュー。土俗的な傾向の強い作家だが、一九六〇年「中央公論」に発表した『風流夢譚』は、民衆が皇居を占拠するという設定であったため、右翼団体の反発を買い、翌六一年二月、中央公論社の嶋中社長宅を右翼関係の少年が襲撃、手伝いの婦人を刺殺し、社長夫人にも重傷を負わせるという事件にも発展した。

 事件後、一時筆を折っていたが、約一年後執筆を再開した。その一方、一九六五年には埼玉県に農場をひらき、自給自足の生活をおくっていた。他の著書に『笛吹川』『みちのくの人形たち』など。

 本紙で掲載した深沢作品の書評として、室生犀星氏による『笛吹川』、塚本邦雄氏による『人類滅亡の唄』、藤枝静男氏による『甲州子守唄』、天沢退二郎氏による『庶民列伝』、白石かずこ氏による『みちのくの人間たち』など。

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