お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年7月11日号


【特集】
対談=大森 望×牧 眞司
<SFの中心であり続けた六〇年>
伊藤典夫著『伊藤典夫評論集成』(国書刊行会)刊行をめぐって
【本紙イントロより】
海外SF翻訳・評論の第一人者である伊藤典夫さん初の著書『伊藤典夫評論集成』が国書刊行会から上梓された。A5判箱入り一四〇〇頁超の大著である。SFにこだわり続けた伊藤さんの六〇年間の軌跡を納めた本書の刊行を機に、書評家・翻訳家の大森望さんと、SF研究家・文芸評論家の牧眞司さんに対談をお願いした。(編集部)
【編集室から】
伊藤さんは初期、『宇宙塵』への短い手紙の頃から、「小説と評論のバランスをとってほしい」と述べている。それは「伊藤典夫とSFの幸福な時代」が過ぎた後も変わらない。今の書評と違い厳しいことを述べたものもあるが、どの評論もジャンルへの深い理解と批評の言葉で作品と向き合おうとする誠実さ、何よりSFに対する愛が一貫している。評論という営みの本質が浮かび上がってくるような一冊である。とはいえ冒頭から通読するには、なかなかの大著。迷っている方はぜひ、対談でお二人が紹介するオススメの読み方を試してほしい。(N)
【今週の読物】
▽対談=宮崎智之×山本莉会『文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学』刊行を機に(8)
▽論潮・7月(高木駿)(3)
▽文芸・7月(山田昭子)(5)
▽映画時評・7月(伊藤洋司)(7)
◇連載=「ブニュエルとスペイン」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)398(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 698(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 70・マリオン・ラヴァル=ジャンテ(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽加藤眞三著『〈いのち〉をケアする医療』(柏﨑郁子)
▽塩原良和著『共生の思考法』(大槻茂実)
〈4面〉
▽山田健太著『転がる石のように』(鈴木雄雅)
▽瓜生崇著『統一教会・現役二世信者たちの声』(辻隆太朗)
▽原田泰著『検証 異次元緩和』(井上智洋)
〈5面〉
▽藤井貞和著『食わず女房から源氏物語へ語りをたどる』(鈴木貞美)
▽堂場瞬一著『ポピュリズム』(土佐有明)
〈6面〉
▽ランバート・ザイダーヴァート著『公共内芸術』(暮沢剛巳)
▽丁乙著『二十世紀中国美学』(鄭 子路)
▽矢野利裕著『「国語」と出会いなおす』(井上功太郎)