お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年9月12日号


【特集】
寄稿=橋爪 大三郎
<追悼・田川建三>
信仰によって、聖書学を自らの使命とする
【本紙イントロより】
新約聖書学者の田川建三氏が二月一九日に亡くなり、八月一三日に作品社から発表された。八九歳だった。自身を「神を信じないクリスチャン」と称し、日本のキリスト教研究の世界から反発を受けるものの研究に邁進し、多数の著書を刊行。ファンも多かった。
このたび、『イエスという男 第二版 増補改訂版』『新約聖書 本文の訳』(ともに作品社)などの田川氏の著書を書評した社会学者の橋爪大三郎氏に、田川氏の追悼を寄稿いただいた。(編集部)
【編集室から】
田川建三さんの「神を信じないクリスチャン」とは何か。この語義矛盾をどう解釈すればよいのか。「聖書学と信仰は矛盾する。対立する」という橋爪大三郎さんの説明を読み、理解が一気に進みました。加えて、田川さんに社会学者の小室直樹さんとの類似点を見出したところも、橋爪さんならではの視点で大変興味深ったです。限られた時間のなかで、アメリカから追悼を寄稿くださった橋爪さんに心より御礼申し上げます。 (M)
【今週の読物】
▽東電刑事裁判最高裁決定、株主代表訴訟をめぐって 海渡雄一・武藤類子さんに聞く(聞き手=佐藤嘉幸)(8)
▽小谷野敦著『文化大革命を起こしてはならない』を読む(長濱一眞)(2)
▽著者インタビュー=松本卓也『斜め論』(6)
▽映画時評・9月(伊藤洋司)(7)
▽著者から読者へ=『英米文学アラカルト』(岡本正明)(7)
◇連載=「ゴダール映画に見るスピルバーグ批判」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)405(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉中井由梨子『20歳のソウル』(長重未来)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 706(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 78・橋本悟(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽エリック・ローラン著『生政治の裏面』(赤坂和哉)
▽北村婦美著『精神分析的ジェンダー論入門』(鈴木菜実子)
▽大沢真理著『生活保障システムの転換』(村田隆史)
〈4面〉
▽垂秀夫著/聞き手・構成=城山英巳『日中外交秘録』(加茂具樹)
▽稲葉千晴編著『日露戦争再考』(沢田和彦)
▽下平尾直著『版元番外地』(栗原 康)
〈5面〉
▽柴崎友香著『帰れない探偵』(倉数 茂)
▽原大地著『『悪の花』の旅』(鈴木和彦)
▽野浪行彦著『フランスで考えた中上健次のこと』(関 大聡)
〈6面〉
▽平尾直政著『広島のともしび』(繁沢敦子)
▽大西暢夫著『炎はつなぐ』(安嶋是晴)
▽桜井万里子著『古代ギリシア人の歴史』(栗原麻子)