お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年9月19日号


【特集】
藤原辰史×安田菜津紀
<食暴力の構造への小さな抵抗>
藤原辰史著『食権力の現代史 ナチス「飢餓計画」とその水脈』(人文書院)
【本紙イントロより】
現代史家の藤原辰史氏が『食権力の現代史 ナチス「飢餓計画」とその水脈』(人文書院)を上梓した。食の集中=食権力をめぐり、ナチスとイスラエルを中心に、我々を取り巻く資本主義経済の巨大な闇を克明に記す。ナチスはソ連の住民3000万人の餓死を目標とした史上最大の飢餓計画を立て、ガザでは飢餓を武器とした虐殺が行なわれている。そして地球上の餓死者は少なく見積もって毎日24000人(2021年9月の報告)。衝撃的な現代史である。
本書の刊行をきっかけに、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏とお話しいただいた。(編集部)
【編集室から】
田川建三さんの「神を信じないクリスチャン」とは何か。この語義矛盾をどう解釈すればよいのか。「聖書学と信仰は矛盾する。対立する」という橋爪大三郎さんの説明を読み、理解が一気に進みました。加えて、田川さんに社会学者の小室直樹さんとの類似点を見出したところも、橋爪さんならではの視点で大変興味深ったです。限られた時間のなかで、アメリカから追悼を寄稿くださった橋爪さんに心より御礼申し上げます。 (M)
【今週の読物】
▽追悼・福田善之(菅孝行)(8)
▽丸川哲史氏の寄稿(8月29日号)への反論(大杉重男)(8)
◇連載=「台湾のヌーヴェル・ヴァーグ作家たち」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)406(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉伊藤計劃著『ハーモニー』(和田七望)(5)
◇連載=「読書人を全部読む!」6(山本貴光)(6)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 707(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 79 ・近藤譲(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽久保明教著『内在的多様性批判』(石田慎一郎)
▽マイケル・ウォーターズ著『アザー・オリンピアンズ』(松浪 稔)
▽リチャード・ローズ著『生物学を進化させた男 エドワード・O・ウィルソン』(林 真理)
〈4面〉
▽熊本博之・田辺俊介編著『復帰50年の沖縄世論』(山田健太)
▽杉浦ちなみ著『奄美シマウタと郷土教育』(荒木真歩)
▽山田貴夫・服部あさこ・橋本みゆき・中山拓憲・加藤恵美編著『川崎 在日コリアンの歴史』(山口祐香)
〈5面〉
▽小川公代著『ケアの物語』(内藤千珠子)
▽石割透著『芥川龍之介あれこれ事典』(山本莉会)
▽鹿島茂著『菊池寛アンド・カンパニー』(掛野剛史)
〈6面〉
▽筒井武文著『映画のメティエ』(北村匡平)
▽ジャック・ル・リデ著『フランスのニーチェ』(大久保歩)
▽フィリップ・サボ著『フーコー『言葉と物』を読む』(飯野和夫)