お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年11月28日号

【特集】
対談=橋爪 大三郎 × 大澤 真幸
<「吉本隆明」の思想を次世代へ継承する>
『吉本隆明全集』(晶文社)本巻完結を機に
【本紙イントロより】
2016年より晶文社から刊行されてきた『吉本隆明全集』が、2025年10月28日発売の第38巻で完結となった。11年の歳月を経て、堂々の本巻完結である。昭和100年、戦後80年を迎えるいま、吉本隆明の思想や著作をどのように読み継いでいくべきか。完結を機に、社会学者の橋爪大三郎氏と大澤真幸氏にリモートで対談をお願いした。(編集部)
【編集室から】
本が読まれなくなり、紙の値段もどんどん上がる今、この時代に、全集が出る。完結を迎える。これがどれほど大変で、大きな仕事なのかを改めて実感した。お二人が指摘するように吉本さんの思想は大変難解で、お恥ずかしながら私は「共同幻想論」でさえ何度も躓きながら読み終えた。何度読んでもきっと、完璧に理解することはできないのだろう。でも、思想を読むとはそういうことなのかもしれない。大澤さんが言うように、分からずとも「ここには何か面白いものがある」と感じる人はこの先も必ず出てくる。その時に、全集完結の価値は一層高まるはずだ。(N)
【今週の読物】
▽横尾忠則さんに聞く*「Y字路から輪廻まで」(8)
◇連載=「一九六〇年代以降のロッセリーニ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)416(聞き手=久保宏樹) (5)
◇連載=〈書評キャンパス〉はやみねかおる『モナミは世界を終わらせる?』(田澤杏香)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 717(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 89 高橋睦郎(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽熊野純彦著『哲学史にしおりをはさむ』(谷川嘉浩)
▽柴田哲雄著『考察 ウイグル』(松本ますみ)
▽山本武利著『山本武利著作集 第七巻 米国の対日工作』(阪本博志)
〈4面〉
▽批判的犯罪学研究会編『批判的犯罪学』(藤間公太)
▽日比嘉高著『帝国の書店』(植村八潮)
▽藤田達生著『国替の誕生』(河内将芳)
〈5面〉
▽エリック・シャクール著『あなたについて知っていること』(真木由紹)
▽市川沙央著『女の子の背骨』(錦見映理子)
▽李里花編『日韓スタディーズ』(櫻井信栄)
〈6面〉
▽工藤保則著『野暮は承知の落語家論』(鈴木 亘)
▽蔡芢錫著『境界で息をする』(林 幸史)
▽マイケル・ロブ著『英国ブックセラーの歴史』(上原早苗)
