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【What’s New!】週刊読書人2024年1月5日号

【What’s New!】週刊読書人2024年1月5日号

2024年新年特大号(本号14頁)

【特集】
ロング書評·橋爪大三郎
<ポスト資本主義を拓く脱成長コミュニズム>
斎藤幸平著『マルクス解体――プロメテウスの夢とその糸』(講談社)を読む

■第二部=新書のすすめ…小林康夫さんが新書を買う(5)~(9)

【今週の読物】
▽『西洋古典名言名句集』(西洋古典叢書編集部編)刊行に寄せて(國方栄二)(2)
▽追悼・池田大作(佐藤優)(14)
◇連載=「ドイツ表現主義からの影響」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(13)
◇連載=〈書評キャンパス〉エドワード・ゴーリー著『オズビック鳥』(村山竣哉)(13)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)
(14)
◇連載=American Picture Book Review(堂本かおる)(14)

【今週の書評】
〈2面〉
▽フランソワーズ・ダステュール著『死』(丸山文隆)
▽板橋春夫著『日本民俗学の萌芽と生成』(石井正己)

〈3面〉
▽苅部直著『小林秀雄の謎を解く』(倉数 茂)
▽末木文美士著『近世思想と仏教』(島薗 進)
▽菅孝行著『ことにおいて後悔せず』(塩野谷恭輔)

〈4面〉
▽鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』(栗原裕一郎)
▽谷釜尋徳著『スポーツの日本史』(井上裕太)
▽平林章仁著『神武天皇伝承の古代史』(佐野真人)

〈12面〉
▽及川祥平・川松あかり・辻本侑生編著『生きづらさ の民俗学』(室井康成)
▽加治屋健司著『絵画の解放』(暮沢剛巳)
▽木澤佐登志著『闇の精神史』(藤田直哉)

〈13面〉
▽リムイ・アキ著『懐郷』(エリ・リャオ)
▽清水康次著『『白樺』派の研究』(尾西康充)
▽倉田剛著『奇跡の女優◎芦川いづみ』(高崎俊夫)

巻頭特集は

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ロング書評·橋爪大三郎
<ポスト資本主義を拓く脱成長コミュニズム>
斎藤幸平著『マルクス解体――プロメテウスの夢とその糸』(講談社)を読む

【本紙イントロより】
 二〇二一年に刊行され大ベストセラーとなった『人新世の「資本論」』は、日本における二一世紀のマルクス・ブームの火付け役となった。その著者である斎藤幸平氏(東京大学大学院准教授)の研究の集大成となる『マルクス解体――プロメテウスの夢とその先』(講談社)が話題を呼んでる。『橋爪大三郎のマルクス講義――現代を読み解く『資本論』』の著作もある社会学者・橋爪大三郎氏に、ロング書評を寄せてもらった。(編集部)

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 読書人オンラインショップをご愛用の皆様、2023年も1年間まことにお世話になりました。

 年内最終印刷、そして2024年の新年特大号が刷り上がりました。特大増ページの本号はいつも以上に読みでがありますので、ぜひ新春の読書のお供に、じっくりお読みください。

 巻頭は話題の斎藤幸平さんの新刊のロング書評です。若手筆頭のマルクス研究者とベテランのマルクス論者の紙面上での対峙は必見です。冒頭で橋爪さんは次のように論じます。

 「「マルクスで脱成長、本気かよ!?」と、誰だって思う。でも斎藤幸平氏が論じると、なるほどそうかもと説得力がある。」

 では橋爪さんはどうしてこのような率直な感想を持ったのか。次のように本書を紹介することで、橋爪さんの描くマルクスのイメージと斎藤さんのマルクス観が浮き彫りになります。

 「だが本書は、単なる学術書の枠をはみ出してもいる。従来のマルクス解釈を超えて、いや、晩期マルクスの思索そのものさえ乗り越えて、脱成長コミュニズムのヴィジョンを描こうとする。」

 『人新世の「資本論」』を読んだ人なら、斎藤さんの論点の大枠が『人新世の~』と本書でそこまで大きな変化がないことがわかると思います。細かい部分、あるいは斎藤さんの大きな解釈の裏付け的な検証が本書でなされている。この書評を読むとそのことがよくわかります。

 なお、本号7面、第二部「新書特集」内で集英社新書の売れ行きトップ10を掲載していますが、『人新世の~』は3年前に刊行されたにもかかわらずなんと2位。ベストセラーかつロングセラーの一冊を読まれた方も多いと思いますが、新書では物足りない人にとって、本書はうってつけの一冊になっていると思います。

 一方で橋爪さんは脱成長コミュニズムに敬意を払いつつも疑義も呈します。ここが本書評の最大の読みどころだと思うので、お見逃しなく。とはいいつつも斎藤氏の仕事に対してはリスペクトをしていますので、今の日本のマルクス研究の最前線とは。ぜひお楽しみくだだい。

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