お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2024年2月23日号
【特集】
対談=前嶋和弘×渡瀬裕哉
<「分断」と「拮抗」の米国政治最前線>
2024年アメリカ大統領選をめぐって
【本紙イントロより】
今秋11月に行われるアメリカ大統領選を前に、続投を表明しているジョー・バイデン大統領(民主党)か、前大統領のドナルド・トランプ(共和党)のどちらが勝つか、様々な予想が展開されている。世界の動向を左右するリーダーを決める選挙を今度どう見ればよいか。上智大学教授でアメリカ学会会長の前嶋和弘氏と国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏にお話をうかがった。(編集部)
世界のリーダーを決める選挙は、これまで以上に混沌としています。最高齢の現職、バイデン大統領の続投か、あるいは2016年から4年間、世界をかき回したトランプか(しかも現在77歳)。まだ、党大会が終わっていないので正式な候補ではありませんが、おそらくこの二人で争うことになる。果たしてこの先、世界はどうなるだろうか。そんな危惧は抱いている人は少なくないと思います。
対談をセッティングした2月上旬の時点では、2つの予備選挙に勝ったトランプが、その勢いそのままに、大統領選にも勝利するのではないかという報道も日本で流れました。では、実際のところどうか。対談にあたり、事前に二人に「トランプは勝つのか」という質問をしました。それに対する二人の答えが、本編第1パートの「大統領選の行方は」の内容です。
前嶋さんはこのようにおっしゃいます。
「今日(2月6日)の時点で投票が行われればトランプが勝ちます。しかし、実際の投票日は今日ではない。ですから、私はいつも今の段階での勝敗は五分五分だと言っています。」
渡瀬さんも同様な見立てをし、さらに何がトランプ陣営のネックになるかもお話いただきました。アメリカ通の二人でもまだどうなるか見当が立たない。だからこそ、今回の大統領選を見る上でどこに注目すればいいか。そういった話が以降で展開されます。
本編では次のような小見出しを立てました。
<大統領選の行方は/鍵を握る副大統領候補/共和党からトランプ党に/民主党支持者の変遷/景気と支持率の相関/就任1日目の政策は ※就任1日目は大統領令を指す/トランプの対中政策/米中摩擦の余波/今後、米国とどう付き合うか>
トランプが、バイデンが、という話の前に、現在の議会構成、今の両党の性格、どのような支持者に支えられているかという話も重要なポイントで、今回の対談からそういった部分もよくわかると思います。今回、7面の「編集室から」に、先日不出馬を表明したと報道されたジョー・マンチン上院議員(民主党)についての補足情報も入れたので、ぜひ最後までお楽しみください。
■潮谷験インタビュー
『ミノタウロス現象』 刊行を機に(8)
【今週の読物】
◇連載=「生を記録するものとしてのカメラ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉柴崎友香著『続きと始まり』(伊藤大遥)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife④・実川暢宏(小林康夫)(7)
【今週の書評】
▽乾淑子著『着物になった〈戦争〉』(アルト・ヨアヒム)
▽川成洋著『スペイン内戦と人間群像』(太田直也)
〈4面〉
▽ジャック・デリダ著『思考すること、それはノンと言うことである』(森脇透青)
▽渡辺由利子著『ふたりの世界の重なるところ』(長島皓平)
▽伊藤之雄著『維新の政治と明治天皇』(宮間純一)
〈5面〉
▽稲垣直樹著『『レ・ミゼラブル』包括論』(藤林道夫)
▽ボニー・ガルマス著『化学の授業をはじめます。』 (九螺ささら)
▽スリーク/イ・ラン著『カッコの多い手紙』(竹田信弥)
〈6面〉
▽大島岳著『HIVとともに生きる』(西 真如)
▽北沢街子著『「うつ」のわたしの子育て』(安發明子)
▽栗原康著『超人ナイチンゲール』(田中ひかる)