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【What’s New!】週刊読書人2024年3月1日号

【What’s New!】週刊読書人2024年3月1日号

【特集】
寄稿=綿井健陽(1面)/安田菜津紀・篠田英朗(2面)
<不条理と理不尽から目を逸らしてはならない>
いま、ガザで何が起きているのか

【本紙イントロより】
 二〇二三年一〇月七日から約五カ月、パレスチナ・ガザでは二万九千人以上の人々が犠牲となっている。しかし、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区へのジェノサイドは、今なお続く。さらに、二月二〇日に国連安保理で行われた即時停戦を求める決議案は、アメリカの拒否権で否決。なぜ、このような事態になっているのか。
 1面では、パレスチナで取材中のジャーナリスト綿井健陽氏による寄稿と、現地で撮影した写真を掲載。2面ではジャーナリストの安田菜津紀氏と、東京外国語大学教授の篠田英朗氏による寄稿を掲載する。(編集部)


 本号(第3529号)の1・2面特集は、「不条理と理不尽から目を逸らしてはならない――いま、ガザで何が起きているのか」です。ジャーナリストの綿井健陽さんと安田菜津紀さん、東京外国語大学教授で国際政治学を専門とする篠田英朗さんに寄稿をお願いしました。綿井さんは現在パレスチナ自治区を取材中で、現地から原稿とお写真をお送りくださいました。

本号で、綿井さんは取材したパレスチナ人青年の言葉を紹介しています。「彼らはパレスチナ人を、人間として見ていない」(彼ら=イスラエル軍兵士とユダヤ人入植者)。安田さんは「人間を人間として扱え」と述べ、篠田さんは国際秩序の観点から、このような状態になっている背景を語ります。

ガザの難民は、なぜ「難民」となったのでしょうか。イスラエルは、どのようにして建国されたのでしょう。なぜ、世界中から批判をされてもアメリカは安保理で拒否権を行使し、イスラエルは虐殺を止めないのでしょうか。

「パレスチナ問題は複雑だから――」。この言葉は、ガザで起きていることから目を逸らすのにとても都合のいい言葉です。しかし、安田さんは寄稿の中でこう言います。「今起きているのは現代の政治の問題」であり、「問われていることは極めてシンプルだ」と。

より詳しく知りたい方は本号はもちろん、「週刊読書人」2023年12月1日号掲載の小田切拓さん×早尾貴紀さんの対談「パレスチナで起っている本当のこと」、10月7日以降に刊行されたパレスチナ/イスラエルに関する書籍などをぜひ、お読みいただければと思います(岡真理さんの『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』が大変分かりやすく、勉強になりました)。安田さんの指摘する通り、決して「複雑」ではないことがわかるはずです。

ガザ保健当局は2月28日に、ガザでの累計死者数が2万9954人になったと発表しました。ガザで起きている大量虐殺(ジェノサイド)と民族浄化を見過ごせば、世界中で起きているすべての虐殺がやがて正当化される危険性があります。一刻も早い停戦と、国際社会の連帯を。


■対談=小谷野敦・倉本さおり
「芥川賞について話をしよう」第25弾(8)

【今週の読物】

◇連載=「「世界に開かれた窓」としてのショット」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉朝井リョウ著『何者』(宮崎琴音)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=American Picture Book Review(堂本かおる)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife⑤・アレクシーナ(ティーニー)・デュシャン(小林康夫)(7)

【今週の書評】

〈3面〉
▽吉見俊哉著『さらば東大』(成田龍一)
▽オスタップ・スリヴィンスキー作/ロバート・キャンベル訳著『戦争語彙集』(本橋哲也)
▽牛米努著『明治の地方ビール』(森枝卓士)

〈4面〉
▽原田泰・飯田泰之編著『高圧経済とは何か』/飯田泰之著『財政・金融政策の転換点』(片岡剛士)
▽内藤陽介著『龍とドラゴンの文化史』(真木由紹)
▽ヨアヒム・ゼング編『アドルノ/ツェラン往復書簡』(柿木伸之)

〈5面〉
▽魚住陽子著『半貴石の女たち』(八木寧子)
▽岳真也著『百期百会』(宮崎智之)
▽横尾忠則画『アンリ・ヨコオ・ウッソー』(鴻池留衣)

〈6面〉
▽金丸裕子著『自由が丘画廊ものがたり』(細谷修平)
▽吉川孝著『ブルーフィルムの哲学』(岩内章太郎)
▽正置友子著『生きるための絵本』(鈴木穂波)

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