お知らせ

【What’s New!】週刊読書人2024年9月27日号

【What’s New!】週刊読書人2024年9月27日号

【特集】
蓮實重彥氏に聞く(聞き手=伊藤洋司)
世界で最も優れた映画作家ラオール・ウォルシュ
『ショットとは何か 歴史編』(講談社)刊行を機に

【本紙イントロより】 
 映画批評家・フランス文学者の蓮實重彥氏の『ショットとは何か 歴史編』(講談社)が八月二〇日に刊行された。『ショットとは何か』〈三部作〉の掉尾を飾る一冊である。刊行を機に、蓮實氏にお話をうかがった。聞き手は中央大学教授の伊藤洋司氏にお願いした。(編集部)


 蓮實重彦さんは、2024年4月5日号掲載の『ショットとは何か 実践編』インタビュー「グリフィス/ヒッチコック/シーゲル」から、約半年ぶりのご登場です。例年では、かなり早いスパンでご登場いただいた形になります。お相手をつとめるのはもちろん、本紙でおなじみの伊藤洋司さんで、師弟による息のあったやりとりが今号でもお楽しみいただけます。
 『ショットとは何か』の制作経緯については、前述の対談内でも語られていますが、本書制作に関して蓮實さんは「今回は「もう何も書きません」と申しあげていたにも関わらず、ラオール・ウォルシュ論(「ラオール・ウォルシュ または「伝説」と「現実」を超えて」)まで書き下ろしてしまった。これは、わたくしより遙かに若い編集者の方々の策謀によるもの」と自虐まじりのコメントをされています。
 対談はやはりラオール・ウォルシュ談義が中心になります。特に1面ではウォルシュについて存分に語られており、蓮實さんは次のように発言しています。
 「ウォルシュは、絶対に再評価されねばなりません。ハリウッドの、いや世界の最も優れた映画作家の一人ですから。彼自身にそんな意識はなかったでしょうが、間違いなくそう思います。その事実を、今回はあられもなく言いはることにしたのです。」
 また、インタビュー中で語られたドゥルーズの映画論に対する批判も今回の読みどころと言って良いかもしれません。3面にわたる大ボリュームの蓮實さんのインタビューを、ぜひお楽しみください。


【今週の読物】

▽建畠晢講演「横尾忠則の寒山百得について」抄録(8)
◇連載=「「トラヴェリングとはモラルの問題である」」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)361(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉西加奈子『ふくわらい』(上田和佳)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 659(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 33 ・イヴァンカ・ストイアノーヴァ(小林康夫)(7)

【今週の書評】

 〈3面〉
▽鈴木範久著『内村鑑三問答』(黒川知文)
▽愼蒼宇著『朝鮮植民地戦争』(前田年昭)
 〈4面〉
▽陳玉箴著『「台湾菜」の文化史』(田中秀臣)
▽カースィム・アミーン著『アラブの女性解放論』(八木久美子)
▽遠藤美幸著『戦友会狂騒曲』(石川勇人)
 〈5面〉
▽シルヴィア・プラス著『ベル・ジャー』(福嶋伸洋)
▽尾崎翠著/石原深予編『枯草のクッションを敷いた古馬車』(山田昭子)
▽中村邦生著『変声譚』(山﨑修平)
 〈6面〉
▽ブリュノ・モンサンジョン著『指揮棒の魔術師 ロジェストヴェンスキーの〝証言〟』(山本明尚)
▽杉谷和哉著『日本の政策はなぜ機能しないのか?』(坂井亮太)
▽ジョセフ・クローニン著『大石誠之助の生涯』(山泉 進)

Paper & Back number

「週刊読書人」紙面版のご購入およびバックナンバーのご購入・定期購読のお申し込みはこちらから

Contact Us

「週刊読書人」に関するご相談・お問い合せは専門フォームにてご連絡ください。