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【What’s New!】週刊読書人2024年10月4日号

【What’s New!】週刊読書人2024年10月4日号

【特集】
追悼=佐々涼子
生と死と、人を見つめつづけた
〈評者〉高野秀行・藤沢周(1面)・江南亜美子・井上理津子・木村友祐(2面)

【本紙イントロより】 

 ノンフィクション作家の佐々涼子氏が九月一日、悪性脳腫瘍のため死去した。五六歳だった。素晴らしいノンフィクションを遺された佐々氏を、五本の書評を掲載し追悼する。
 『駆け込み寺の男 玄秀盛』(早川書房)/評者・高野秀行、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(集英社)/評者・藤沢周、『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)/評者・江南亜美子、『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)/評者・井上理津子、『ボーダー 移民と難民』(集英社インターナショナル)/評者・木村友祐。なお最後の著書『夜明けを待つ』(集英社インターナショナル)は、本年3月15日号に井上理津子氏に書評いただいている。(編集部)


 ノンフィクション作家の佐々涼子氏が九月一日、悪性脳腫瘍のため死去した。五六歳だった。10月4日号(第3559号)では、素晴らしいノンフィクションを遺された佐々氏を、五本の書評を掲載し追悼する。

『駆け込み寺の男 玄秀盛』 (早川書房)/評者・高野秀行
『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』 (集英社)/評者・藤沢周
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』 (早川書房)/評者・江南亜美子
『エンド・オブ・ライフ』 (集英社インターナショナル)/評者・井上理津子
『ボーダー 移民と難民』 (集英社インターナショナル)/評者・木村友祐

 なお最後の著書『夜明けを待つ』 (集英社インターナショナル)は、本年3月15日号に井上理津子氏に書評いただいている。



 2021年に読書人カレッジの講師をお願いした際、雑談で、今取り組んでいる取材が重くて重くて頭から離れないので、いっとき頭をからにするために加圧トレーニングに通っている、と話されていた。その取材が、『ボーダー』だった。翌年、新刊インタビューをさせてもらったのだが、ここに書かれた現実に対して、いったい何が言えるだろう……と思い、佐々さんと向き合ったら言葉ではなく涙が出てしまった。インタビュアー失格である……でも佐々さんは「わかるよー」と言ってくれた。その取材が終った時の顔が土気色で、直後入院されたと聞いた。取材中もお辛かっただろうに、終始にこやかだった(今回掲載した写真は、そのとき撮影したもの)。
 SNSで難病を告白された後も、ずっと復帰を信じていたのだが……。
 
 佐々さんの本には一作一作に、自分がその本に出合ったときの記憶が残っている。
 佐々さんへ「素晴しい本をありがとうございました」の気持ちと、ご冥福の祈りをこめて……。


【今週の読物】

▽論潮〈10月〉(橋爪大輝)(3)
▽文芸〈10月〉(柿内正午)(5)
▽追悼=高石ともや(サエキけんぞう)(7)
▽「最後のゴダール」ゴダール遺作『シナリオ』『シナリオの予告編の説明』販売を機に(寄稿=久保宏樹)(8)
◇連載=「『この空は君のもの』の素晴しさ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)362(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉有川浩『図書館戦争』(中西光太朗)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 670(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 34 ・宮川淳(小林康夫)(7)

【今週の書評】

 〈3面〉
▽フランコ・ベラルディ(ビフォ)著『第三の無意識』(北川眞也)
▽澤野雅樹著『オッペンハイマーの時代』(粥川準二)
 〈4面〉
▽足立洋一郎著『近代日本盲教育史』(鈴木和正)
▽佐藤典子著『コミュニケーションの困難』(北垣 徹)
▽西谷幸介著『「日本教」の弱点』(並木浩一)
 〈5面〉
▽西成彦著『カフカ、なまもの』(川島 隆)
▽石井要著『中島敦 意識のゆらぎから複数の世界へ』(坂口 周)
 〈6面〉
▽スクウェア・エニックス著『スクウェア・エニックスのAI』(山本貴光)
▽七尾和晃著『語られざる昭和史』(酒井 信)
▽石田月美著『まだ、うまく眠れない』(松岡瑛理)

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