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【What’s New!】週刊読書人2024年10月25日号

【What’s New!】週刊読書人2024年10月25日号

【特集】
対談=木澤 佐登志×飯盛 元章
退屈で閉塞した世界を破壊する想像力
木澤佐登志『終わるまではすべてが永遠』(青土社)刊行を機に

【本紙イントロより】 
 文筆家の木澤佐登志氏が『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』(青土社)を上梓した。〝現実(ここ)〟ではない場所への脱出を模索する本書の刊行を機に、『暗黒の形而上学 触れられない世界の哲学』(青土社)の著者である飯盛元章氏と対談をお願いした。(編集部)


 木澤さんの新刊『終わるまではすべてが永遠』を拝読した時、思わず「あぁ……」と声を出した箇所があります。第Ⅱ部第1章「さようなら、いままで夢をありがとう――〈名前のない特性〉を巡って」の113頁です。

「自分は何の役にも立たない。自分は何者にもなれない。こうした苦しみは、社会の側から休みなく要請される「お前は何者だ?」という尋問に対する裏返しとしてある。(略)こうした社会で生きている限り、匿名的な存在でいることは許されない。常に身元を証し、自らに与えられた責任や役割(アイデンティティ)を当然のこととして引き受けることが要求される。」

 木澤さんはここで批評家マーク・フィッシャーのことを論じていますが、上記の指摘はSNSに囲まれている現代人が少なからず感じていることではないでしょうか。常に自分は何者であるかを問われ、その責任を要求される。たとえ存在証明から逃れたとしても、今度は「自分は役に立たない」という思いに苦しむことになる。なぜ、この世界はこんなにも息苦しく、閉塞してしまったのか――。  そんな現実から脱出するため、木澤さんと飯盛さんは対談の中で「破壊」の想像力を巡らせています。面白いのは、お二人の考えが重なったり、重ならなかったりするところ。ぜひ、お二人の主張の共通点と相違点に注目していただければと思います。(N)


【今週の読物】

▽新庄耕インタビュー『地面師たち ファイナル・ベッツ』(集英社)(8)
▽追悼=田名網敬一(仲世古佳伸)(7)
◇連載=「グレミヨン映画の真の原動力」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)365(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉飛浩隆『グラン・ヴァカンス』(有馬大雅)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 673(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 36 ・パスカル・キニャール(小林康夫)(7)

【今週の書評】

【今週の書評】
 〈3面〉
▽カルロ・ギンズブルグ著『自由は脆い』(西谷 修)
▽キャスリン・T・ガインズ著『アーレントと黒人問題』(押山詩緒里)
▽原井一郎著『南島ボートピープル』(斉藤日出治)
 〈4面〉
▽中川右介著『100年の甲子園』(井上裕太)
▽ダリア・リスウィック著『レイディ・ジャスティス』(君塚正臣)
▽レヴィ・マクローリン著/中野毅監修『創価学会』(高橋典史)
 〈5面〉
▽塩谷清人著『『クラリッサ』を読む、時代を読む』(武田将明)
▽山田昭子著『吉屋信子』(尾崎名津子)
▽香川雅信著『妖怪を名づける』(野上 暁)
 〈6面〉
▽前田雅之著『戦乱で躍動する日本中世の古典学』(石井正己)
▽グレゴリー・J・グバー著『透明マントのつくり方』(西貝 怜)
▽菅谷幸浩著『青嵐会秘録』(河内 孝)

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