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【What’s New!】週刊読書人2024年11月1日号

【What’s New!】週刊読書人2024年11月1日号

【特集】
追悼=福田和也
さらば、批評家。
新庄耕(1面)・風元正・明石健五(2面)

【本紙イントロより】 
 文芸評論家の福田和也氏が九月二〇日、急性呼吸不全のため死去した。六三歳だった。文芸にとどまらない幅広いテーマで保守派の論客として、数多くの著作を遺したほか、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍。慶應義塾大学に勤める教師の顔もあった。ゼミの教え子である作家の新庄耕氏の追悼談話、福田氏と話題の企画を共にした編集者の風元正氏、小紙編集長の明石健五の追悼文をそれぞれ掲載する。(編集部)


福田和也さんを語る上で、酒場での記憶は欠かせない。教え子、出版社の編集担当者、取材者。三者三様、それぞれの視点で福田さんを振り返っても、大なり小なり必ず酒宴のエピソードが伴われる人というのは、今日では珍しいのではないでしょうか。古き良き文壇人の在りし日に思いを致すことができる。そんな追悼特集になりました。
巻頭を飾るのは、福田さんの教え子で『地面師たち』で一世風靡中の作家・新庄耕さん。なお、新庄さんは10月25日発売号8面で『地面師たち ファイナル・ベッツ』(集英社)のインタビューを掲載しています。つまり、今回の追悼談話の流れでの別インタビューですので、対比してお読みいただくと、新庄さんの”今”がよくわかります。そんな新庄さんは福田さんとの思い出を次のように語ります。
「福田先生に大学を卒業してからゆっくりお会いしたのは、私が『狭小邸宅』ですばる文学賞を獲ったときです。(中略)五時に帝国ホテルのラウンジで待ち合わせて、マティーニを飲むところからスタートして、最後は深夜、文壇バー新宿・猫目で完全に酔いつぶれて……。」
後段で学生時代に個人的な絡みはなかったとおっしゃっていますが、それでも福田ゼミでの記憶も遡ります。新庄さんが感じた福田ゼミの空気感とは。
2面掲載の風元正さんの追悼文は文芸評論家としての福田さんの仕事を丹念に振り返ります。また、今回追悼のピンチヒッターを務めた弊社明石は弊紙掲載の絓秀実さんと福田さんの対談企画に至る経緯を回想しています。なぜ明石が代役を務めることになったかにもコメントしてありますので、そこもぜひご一読いただきつつ、若くしてお亡くなりになった稀代の文芸評論家に思いを馳せていただければと思います。


【今週の読物】

▽追悼=田中美津(千田有紀)(2)
▽対談=山田健太・青木理/『大宅壮一文庫に見るコロナ・パンデミック』(日外アソシエーツ)刊行記念(8)
◇連載=「対立と和解のテーマを通じて描く」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)366(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉村上春樹『羊をめぐる冒険』(春日亮)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 664(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 37 ・フィリップ・ジャコテ(小林康夫)(7)

【今週の書評】

〈3面〉
▽岡田靖雄著『優生保護法の時代を生きる』(鈴木晃仁)
▽カーター・J・エッカート著『韓国軍事主義の起源』(出水 薫)
▽近藤和敬・檜垣立哉著『21世紀の自然哲学へ』(戸澤幸作)
 〈4面〉
▽島村一平編『辺境のラッパーたち』(二木 信)
▽高橋杉雄著『SFアニメと戦争』(稲葉振一郎)
▽満薗勇著『消費者と日本経済の歴史』(伊藤 篤)
 〈5面〉
▽ポール・ヴァレリー著『メランジュ』(田中庸介)
▽山口守編『パパイヤのある街』(佐藤 泉)
▽トマス・パヴェル著『小説列伝』(白石純太郎)
 〈6面〉
▽ジャン=クレマン・マルタン著『ロベスピエール』(佐藤淳二)
▽佐野栄一著『セザンヌと『知られざる傑作』』(荻野 哉)
▽バーバラ・ブッチャー著『死体と話す』(西野智紀)

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