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【What’s New!】週刊読書人2025年1月17日号

【What’s New!】週刊読書人2025年1月17日号

【特集】
対談=渡名喜庸哲・石井雅巳
<「顔」の向こう側にみえるもの>
『レヴィナス 顔の向こうに』(青土社)刊行を機に

【本紙イントロより】 
  渡名喜庸哲著『レヴィナス 顔の向こうに』が青土社より刊行された。本書刊行を機に、著者で立教大学教授の渡名喜氏と山口大学講師の石井雅巳氏とのオンライン公開対談を実施(対談の模様は現在も週刊読書人WEBで視聴可※有料)。本紙上で、レヴィナス思想の「向こう側」を見出す2時間に及ぶ白熱した議論を抄録する。(編集部)


オンライン公開対談のアーカイブ視聴
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 渡名喜庸哲さんと石井雅巳さん、次世代のレヴィナス研究者たちは、今レヴィナスの思想から何を見出そうとしているのか。『レヴィナス 顔の向こうに』で精緻なレヴィナス読解を行うとともに、自身の思索を深めた渡名喜さん。本書を読み、レヴィナスとジャン=リュック・ナンシーとの共通点から、新たなアイディアを見出した石井さん。本書をきっかけに共に顔の向こう側を見出す試みをおこなっている点を、紙面に盛り込みました。

 紙面では、本書の重要な問題提起である、デリダらの「他者への無限の責任を果たし続けなければならない」レヴィナス批判に対してどう応答するか。この点を強調した内容にしました。「動物」を巡る議論がまさにそれで、レヴィナスに向けられた「人間中心主義」という批判に対する両者の見解を含め、紙面の後半に収録しました。

 もうひとつピックアップした部分は、レヴィナスを現象学者だと捉える渡名喜さんが、自身の実体験をもとにレヴィナスの現象学から見えてくるものを考察する。3・11後に被災地を訪れて見た、ドローンやVRなどの遠隔技術を使う試みから人間とロボットの境界の曖昧さを感じたこと。コロナ禍のZoomを使った遠隔授業から見出した「他者」との応答関係について。具体的かつ説得力を帯びた解説がなされます。このあたりも読みどころになるので、ぜひご一読ください。 なお、今回の対談動画は、石井さんが事前に作成した資料をもとに話が進んでいるので、比較的見やすく、聞き取りやすい対談になっています。紙面で収録しきれなかった部分も含めて楽しめますので、興味があれば上段のリンクから視聴をお申し込みください。


【今週の読物】

▽対談=堀川惠子・松永正訓『透析を止めた日』(講談社)刊行を機に(8)
◇連載=「ゴダールとストローブ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)375(聞き手=久保宏樹)(6)
◇連載=〈書評キャンパス〉山本周五郎『さぶ』(川部大輝)(6)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 674(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 46・辻邦生(小林康夫)(7)
◇連載=戯史 平成紀〈一月〉(安倍夜郎)(7)

【今週の書評】

 〈3面〉
▽森一郎著『ニーチェ』(梅田孝太)
▽丸川哲史・岩野卓司編『野生の教養Ⅱ』(加納 土)
▽ウィルフレッド・R・ビオン著/クリス・モーソン編『ウィルフレッド・R・ビオン 長い週末』(平井正三)
 〈4面〉
▽板橋春夫著『日本民俗学の創成と確立』(畑中章宏)
▽中西仁著『神輿舁きはどこからやってくるのか』(佐藤弘隆)
▽宮本英威著『ブラジルが世界を動かす』(伊高浩昭)
 〈5面〉
▽武田崇元・横山茂雄著『霊的最前線に立て!』(葊田龍平)
▽青木彬著『幻肢痛日記』(小西真理子)
▽井上理津子著『ガイドブックにない もうひとつの東京を歩く』(北條一浩)
 〈6面〉
▽魚住陽子著『野の骨を拾う日々の始まり』(上原尚子)
▽西成彦著『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』(中村隆之)
▽豊﨑由美・広瀬大志著『カッコよくなきゃ、ポエムじゃない!』(山﨑修平)

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