お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年2月28日号


【特集】
読書人カレッジ@立教大学 載録(講師=吉見俊哉)
<『時間の比較社会学』と社会システム論>
――社会学・人類学と歴史学
【本紙イントロより】
立教大学(東京・池袋)で昨年開講された連続講座「読書人カレッジ」(「戦後の日本社会に影響を与えた「古典」を読む」全十四回、読書人/公益財団法人日本財団共催)の第十二回「『時間の比較社会学』と社会システム論――社会学・人類学と歴史学」(講師=吉見俊哉・東京大学名誉教授・國學院大學教授)の講義の模様を載録する。吉見俊哉氏の恩師である社会学者・見田宗介(真木悠介)について、改めて、現在の学問知の中に位置づけて考察し直す画期的な論議である。なお完全版は読書人WEBにて公開予定(詳細はQRコードから/第二~十一回は公開中)。(編集部)
2月28日号1・2面特集は、立教大学(東京・池袋)で昨年開講された連続講座「読書人カレッジ」の第12回「『時間の比較社会学』と社会システム論――社会学・人類学と歴史学」(講師=吉見俊哉・東京大学名誉教授・國學院大學教授)の講義の模様を載録する。吉見俊哉氏の恩師である社会学者・見田宗介(真木悠介)について、改めて、現在の学問知の中に位置づけて考察し直す画期的な論議である。
三人の知の巨人、すなわちフェルナン・ブローデル、イマニュエル・ウォーラーステイン、(『歴史学の野心』、『長期波動』、『野生の思考』)と関係づけながら、真木悠介著『時間の比較社会学』の意味を考える。吉見曰く、「ウォーラーステイン的な世界システム論の地平から真木悠介的な「時間の比較社会学の地平へのシフトを構想したい」。いわば「社会学の世界がひっくり返るような話」であり、社会学と人類学と歴史学、三つの連環の中で考えていく。
つづいて、書評面から――。まずは3面。エドゥアール・グリッサンの大著『カリブ海序説』(インスクリプト)を、福島亮さん(日本大学講師)が評する。「カリブ海の思想家によるカリブ海を主題とする書物」であり、「随所に滲む著者の怒りは、この国と世界を取り巻く状況を先取りしている」。4面では、那波泰輔著『「わだつみ」の歴史学』(雄山閣)を、清水亮さん(慶應義塾大学専任講師)が評する。キーワードは「思想」に加えて「行動」。「組織内に展開されてきた「活動」や「実務」に分け入っていくために、著名な文化人に限らない計二〇人のインタビューや、「会員の交流の場」として機能してきた機関紙が、有用なデータとなる」。6面からも一本。渡邊永人著『崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった』(新潮社)。評者は北村匡平さん(映画研究者)。谷桃子バレエ団に密着取材をし、「バレエ団の裏側を描いた動画のさらに裏側を綴った書物」である。――これは、私も是非とも読みます!
今日の東京・神保町は、15度を超えるとのこと。週末はさらに暖かく、20度を超えると、今朝の天気予報では報じていました。皆さん、よい週末をお過ごしください。(A)
【今週の読物】
▽渡部直己著『『水滸伝』と金聖嘆』を読む(丹生谷貴志)(8)
▽追悼=李恢成(黒古一夫)(8)
◇連載=「映画芸術のひとつの完成形」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)381(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉米澤穂信『ふたりの距離の概算』(牧野香々百)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 680(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 52・原研哉(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽エドゥアール・グリッサン著『カリブ海序説』(福島 亮)
▽三木健著『沖縄・八重山五十年史』(下嶋哲朗)
▽野口雅弘著『中立とは何か』(橋本直人)
〈4面〉
▽山本英子著『グラスランの経済学』(田中秀臣)
▽那波泰輔著『「わだつみ」の歴史社会学』(清水 亮)
▽北村洋著『淀川長治』(大森さわこ)
〈5面〉
▽小林富久子著『クァーキーな女たちの伝統』(内藤千珠子)
▽柏木隆雄著『本居宣長・本居春庭・小津久足・小津安二郎』(藤林道夫)
▽ジェイムズ・フェニモア・クーパー著『モヒカン族最後の戦士』(塚田浩幸)
〈6面〉
▽渡邊永人著『崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった』(北村匡平)
▽ロレッタ・ナポリオーニ著『編むことは力』(堀川 夢)
▽堀川祐里編著『労働環境の不協和音を生きる』(村田隆史)