お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2025年3月7日号


【特集】
竹内 康浩インタビュー
<ポーが仕掛けた完全犯罪の謎を解く>
『謎ときエドガー・アラン・ポー 知られざる未解決殺人事件』(新潮社)刊行を機に
【本紙イントロより】
アメリカ文学者・北海道大学大学院文学研究院教授の竹内康浩さんが『謎ときエドガー・アラン・ポー知られざる未解決殺人事件』(新潮社)を上梓した。本書は、推理小説の始祖であるポーの短編「犯人はお前だ」に記されているものの、二世紀近く気付かれることのなかった殺人事件の真相と、その読解からポーの創作原理に迫る文学評論。刊行を機に、竹内さんにお話を伺った。
※本インタビューは「犯人はお前だ」(2面に要約掲載)の核心に触れています。(編集部)
竹内さんにお話を伺うのは、今回が2回目でした。前回は2021年。小林秀雄賞を受賞した『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』刊行時に、文芸評論家の阿部公彦さんと対談いただきました(「週刊読書人」2021年9月3日号掲載)。
「編集室から」にも書いたのですが、今回はネタバレに関してかなり悩みました。『謎ときエドガー・アラン・ポー』の序章には、竹内さんによる「犯人はお前だ」の全訳が掲載されています。インタビューで「まずは作品を読んでもらわなければ、私が言っていることは理解されない」と竹内さんがお話しされたように、本書は「犯人はお前だ」の読解が重要。この作品に隠された殺人事件とその真相から、ポーの創作原理に迫っていく評論なので、どうしてもネタバレに踏み込む必要がありました。
一方で、「犯人はお前だ」は形式としてはミステリです。さて、どこまでネタバラシしてもいいものか……思案しつつ、紙面組を考えていきました。内容はもちろんのこと、ぜひその辺りの構成やレイアウトにも注目いただけると嬉しいです。(N)
【今週の読物】
▽「芥川賞について話をしよう」第27弾(小谷野敦・倉本さおり)(8)
▽論潮・3月(高木 駿)(3)
▽文芸・3月(山田昭子)(5)
▽著者から読者へ=『一茶と芭蕉』(傅益瑶)(7)
◇連載=「ルビッチとオフュリュス」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)382(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉乗代雄介『二十四五』(伊藤大遥)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側 681(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife 53・平山健雄(小林康夫)(7)
◇連載=American Picture Book Review 94(堂本かおる)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽星野太著『崇高と資本主義』(松葉 類)
▽吉見俊哉著『東京裏返し 都心・再開発編』(岩本 馨)
〈4面〉
▽岩谷將著『民主と独裁の相克』(若松大祐)
▽北村陽子編『職業教育とジェンダーの比較社会史』(望戸愛果)
▽レオポル・ミジョット著『古代ギリシアのいとなみ』(原田 泰)
〈5面〉
▽竹村はるみ著『シェイクスピアと宝塚』(小野俊太郎)
▽野田康文編/入江香都子・溝渕園子著『もっと読みたくなる! 芥川龍之介』(関谷由美子)
〈6面〉
▽羅新著『果てしない余生』(安永知晃)
▽レタ・ホング・フィンチャー著『フェミニスト・ファイブ』(橋本恭子)
▽南陀楼綾繁著『書庫をあるく』(杉江松恋)