日常の向こう側 ぼくの内側 717
2025.11.17 〈新宿のデパート内で知人と食事を、と店を探している時、桃井かおりに会う。「今から松本へタクシーを飛ばして食べに行かない?」と言うので、彼女を人混みの中に撒いて逃げる〉夢を見る。
フィリップ・グラスの「MISHIMA」を観た大勢の人からメールを受け取る。展覧会もいいが劇場で映像作品にして公開することに少し興味が湧いてきた。
西脇市長の片山象三さんが四期当選したと挨拶に来訪。
2025.11.18 〈雅子皇后の影像が眼前に貼りついて離れない〉という想念とも夢ともつかないビジョンを見る。
朝日新聞の星野さん来訪。特に用はないが、用がないという用があるんだなあ。
2025.11.19 夕方まで頼まれもしないエッセイを2本書く。
夕食は日産玉川病院の名誉院長の中嶋昭先生を迎えて、妻、徳永と駅前の中華桂花へ。食欲がないことを玉川病院の主治医から注意されていたが、急に食欲が出て中嶋先生も安心された。
ビデオで今日の大相撲を見る。大の里、豊昇龍、安青錦と優勝の行方が見えなくなった。今場所は面白い。
茨城県筑西市のしもだて美術館がぼくの70年代の版画49点をコレクターから寄贈されたという報告があり、来年9月に新収蔵展を企画しているとのこと。
2025.11.20 〈この前、マラソンでトップで走ったので、もう一回走らないかと主催者に言われたので、また走るか〉という夢を見る。
ニューヨークから画家のKAWSが久し振りに来訪。彼はぼくの作品を270点近くコレクションしている。近い内にストックホルム(と言ったかな?)の美術館で彼のコレクション展があるという。見たいけど遠過ぎる。デヴィッド・サーレのAI絵画の何点かを見せてくれたが、AI地獄に落ちた作品で全くいただけない。
2025.11.21 藤森照信さんの紹介で、一般社団法人住宅遺産トラストの木下壽子さん、吉見千晶さん来訪。古いわが家を残すべきかどうかの調査の対象になるかどうかの話で来訪。
今日は大相撲の星のつぶし合いの初日なので、急いで帰宅しようと思ってアトリエのアプローチから公道に出る手前で自転車で転倒。腰を打つが大して痛みはないが、急に息切れが激しくなって少々驚く。
2勝目どうしの大の里と安青錦戦で安青錦が負けたので優勝戦線から離脱かな?
夜、寝る寸前におでんがぼくの布団の上で吐いちゃった。このところ毎日吐く。汚物処理はニガ手だが、こういうことは全部妻がやってくれるので大助かり。こういう恐ろしい生活に関わるとなぜか絵が描けなくなってしまう。
2025.11.22 〈ホテルのロビーで康芳夫さんに偶然会う。久し振りだから食事に誘うが、普段おしゃべりなのに、無口だ。あゝ、そうか彼は死者だから仕方ないなと思う〉夢を見る。
朝になって、昨夕の腰の打撲が痛み出した。自転車は危険なのでコンビニまで歩いて買い物に行く。往復2000歩はかなりきつく、これじゃ100%老人だ。
午後、ベルリンでの個展に行ってくれる北沢さんが来訪。展覧会の話はそこそこで、最近転んで大ケガをした北沢さんとは病気自慢で終始。
大の里が琴桜に負け、安青錦が豊昇龍に勝ったために明日の千秋楽は最高に面白くなってきた。
2025.11.23 昨日、長野のリンゴと蜂蜜を頂いたお礼に北沢さんと神戸屋で昼食。「週刊新潮」のエッセイのモチーフに困っていると言ったら、「相撲とマラソン」はどうですかと。そういえば化粧廻しや千代の富士の話もあるし、マラソンは瀬古利彦さんの話とか、あるある。
千秋楽に安青錦が横綱豊昇龍との優勝決定戦を制した。あの低さを武器に入られると相手は引くか投げるしかなく、後ろに廻られてレスリングスタイルで豊昇龍を土俵にペッタンコ。彼は大関の上を目指すと宣言。相撲界の大谷になれる!(よこお・ただのり=美術家)
