2026/07/24号 10面

日常の向こう側 ぼくの内側 747(横尾忠則)

日常の向こう側 ぼくの内側 747 横尾忠則 2026.7.13 〈神戸のファミリーレストランで10人ばかりの女子高生とテーブルが一緒になる。10人一組の研究グループだという。その中のリーダーと近くの書店で偶然会う。彼女が店頭でぼくの画集を見つけて、そこで僕のことを初めて知ったというので、じゃ神戸の美術館に招待するというと、次回の研究はこの美術館を取材するという〉夢を見る。  起床時に息苦しくなる。アトリエへ風間に車で送ってもらう。いよいよ自転車通勤が無理になってきたかな。  住宅遺産に自宅とアトリエが対象になるかもの予測で藤森照信さん、木下壽子さん、吉見千晶さん、来訪で説明を聞く。  シンガポールのナショナル・ギャラリーでアニメ作品の上映を企画。  ロンドンの出版社テームズ&ハドソン社の日本のポスター集刊行のため掲載依頼。  上海のパワーステーション・オブ・アートの館長より個展の依頼再度あり。27年か翌年に開催予定。作品の選択に来日するとメール。 2026.7.14 〈天井がやたらと高いホールで、昔の日宣美の会員の会合がある。なんで出席したのかわからない〉という夢。  神戸から美術館の次期課長になる平林さんと鈴木さん来訪。  小兵力士藤ノ川が2人の横綱から金星上げる。  夕方、成城外科整形外科で足の爪を切ってもらう。帰りに風月堂で徳永とカキ氷を数10年振りで食べる。 2026.7.15 〈ルドンばりの黒いドローイングで新聞小説の挿絵を描くことになった〉という夢。  〈おでんを西脇の銭湯に連れて行くがパニック。その後行方不明になる〉夢を見る。  スカイザバスハウスの白石さん来訪。ポスターが1000点あるなら個展をしましょうよと。海外でのポスター展は5ヶ国でやっているが、東京ではやっていなかったんだよね。 2026.7.16 テレビドキュメントのディレクターの三木哲さん来訪。海外の活動を集めたドキュメントにならないかの打診。  計理士の梅田さんアトリエに来訪。相続税の問題が複雑にのしかかっているので、その交通整理の説明をしてもらう。人生の終りはできるだけシンプルに整理したいものだ。 2026.7.17 〈ホテルの廊下を歩いているとドアの開いた部屋があったので、中を覗くとベッドの上で横たわっている三船敏郎さん。「ヤア、横尾さん、いいじゃない入んなよ」と声をかけられる〉。  〈西脇の産業道路で黒澤組の土屋嘉男さんに会う。「土屋さんの家、この辺だよね」と言うと、「寄ってかない」と後をついていく〉夢を見る。  画家の佐々木豊さん死去(91)。いつも元気そのものだったのに、老衰とか。美輪さんも老衰だったけど、2人共、ぼくより一歳上だ。死が日常的になってきた。  スイス在住の三田丞次さん夫妻来訪。海外での何かプロジェクトに関わってくれませんかという打診。  夕方より、建築家の吉野さんと施工屋の渡辺さんが来て、雨水で自宅の部屋の柱が空洞になっているのでその補修工事を依頼。  深夜息が苦しくなって目が覚める。なんだか老衰期に入っているような気がしないでもない。 2026.7.18 終日、ベッドの中で横たわって休養する。最近の休養の様子はちょっと異常だ。やっぱり老衰かな。食欲も味覚もないので、つい食を抜いたり、少なくなる。  午後、相撲を見るのがやっと。 2026.7.19 今日もベッドの中で休養しようと思うが、昼前に駅前のコンビニに昼食の買い出しに。帰宅後、急に具合が悪くなり、嘔げそうになる。向いの水野クリニックは日曜で休みだけれど、水野先生に往診してもらう。脱水症状らしく、OS1を飲んだり水分を補給して、なんとか切り抜ける。  ベッドの中で大相撲を見ながら、今週の日記の整理をする。(よこお・ただのり=美術家)