日常の向こう側 ぼくの内側737
横尾忠則
2026.4.27 雨。風間に車でアトリエへ。
大谷久し振りに6号。村上は11号。
2026.4.28 ニューヨークから「Living Proof New York」の撮影を取材。「死ぬために生まれて、死ぬために生きる」なんて言葉は通じたかな?
遺作シリーズに取りかかっているが何点描いたところで終るのかな?
2026.4.29 今日からGW。便秘は行ったり止ったり。
遺作シリーズ20点目。
今日は昭和の日らしい。昭和100年というが、昭和にはスマホもAIもなかった。令和には昭和の面影などどこにもない。だから昭和は64年に終ったのだ。
大谷投げ負け。
2026.4.30 ポスターの依頼が急増している。頼まれ仕事はどうして面白くないのかな?
アーティゾン美術館の松本副館長来訪。
同級生の女性がまたひとり逝去。同級生の死は分身の一部みたいで自分事のような気がする。
2026.5.1 〈西脇の実家に猫が沢山いる。その中に死んだタマもおでんもいる。他の猫もかつての一族郎党なのかな〉と思う夢を見る。
会計士の梅田さんと終活の相談を。
ロンドンのマークさんよりテームズ&ハドソンの画集がいよいよ印刷工程に入ったと通知あり。
足の親指が痛む。爪が食い込んでいたのを切ってもらうと少しは楽。
2026.5.2 〈メリー・モンゴリィのショーを見に行く。妻が「誰?」と聞く。この女性はイッセイ・ミヤケの北村みどりさんらしい〉という夢を見る。
2026.5.3 自作の絵がデザイン化し始めている。
週刊新潮の種井さん来訪。GWで会社が休みらしい。
また誰かが玄関に花を届ける。今日で3回目。一体誰が何のために? SNSでおでんの死を報告したからかな。
2026.5.4 4月22日に玉川病院のロビーで中村雅俊さんに偶然あった時、夫人も一緒だったが、その夫人が28日に亡くなっていたことを今朝の新聞で知って驚く。会って六日目に亡くなるとは。何とも儚い気持だ。ご冥福をお祈りします。
午後、野矢茂樹さん横浜から来訪。フェリーニ、デュシャン、三島由紀夫、黒澤明、大島渚らの話をする。
2026.5.5 NHKの日曜美術館のディレクターの柿沼裕朋くん来訪。一年振りで会うが、数日前にぼくから連絡ありそう、と思っているところにぼくのメールが来てびっくりしたそうだ。そんな不思議なことが前にもあったそうだ。
2026.5.6 ドジャースvsアストロズで大谷が2回にホームランを打たれたが、もう1本打たれそうな気がしたので、その2本目を見てアトリエに行こうと思った途端2本目のホームランを打たれて、われながらびっくりする。
遺作シリーズ20点目ほぼ一日で完成。
2026.5.7 絵は抜けたけれど抜けないのは便秘。便秘は人生を不安にさせる。
2026.5.8 〈絵に必要なのはユーモアだと言ったのは誰かなのか、自分なのか?〉そんな夢を見る。
2026.5.9 〈頭を短く慎太郎刈にして三宅一生さんらとステージに横たわっている〉夢。
〈東京駅のレールにそって、誰かとホームで待っている仲間と合流する。ホームでは山田洋次さんらが待っている。誰か女性が「髪を慎太郎刈にしているので誰だかわからなかった」という〉夢を見る。
この2週間で「遺作シリーズ」6点描く。6人が描いたようなバラバラ作品になる。
2026.5.10 鈴木光司さん死去。68歳とは若い。彼の「リング」シリーズの装幀は評判になったが、その時会ったきりだけど。
遺作シリーズ24作品目に入る。
大谷のホームランに代わって村上、岡本に関心が移る。
大相撲も初日から大荒れ。(よこお・ただのり=美術家)
