山を走る女
二一歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら一人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋―。保育園の育児日誌を随所に挿入する日常に即したリアリズムと、山を疾走する太古の女を幻視する奔放な詩的イメージが谺し合う中に、野性的で自由な女性像が呈示される著者の初期野心作。
| 著者 | 津島佑子 |
| 出版元 | 講談社 |
| 頁数 | 403頁 |
| 発行日 | 2006-04 |
| ISBN13 | 9784061984387 |
| ISBN10 | 4061984381 |
