清ら人 折口信夫・釈迢空

著者は詩人の透視力と小説家の人間把握力とをもって、世上に流布し、私自身の心の片隅にも魚の小骨のように引っかかっていた折口ホモセクシュアル説を鮮やかにくつがえし、併せて折口文学を排他的なカルト信者の手から、驚くべき寛やかで濶達で豊饒な世界へと解き放った。十代に親炙した釈迢空の短歌についての思い出、塵労に疲れた中年男の再発見した折口の「清ら」の世界、孤児意識に悩まされつつ大和を彷徨する折口少年の後ろ姿、弟子たちにひどく不器用に愛情を発露する折口先生、折口に惚れとおした二人の女性の知られざる生涯、そして大食漢・折口の痛快きわまる椀盤振舞...。本書は唯一無二の画期的な折口信夫論である。
著者 鳥居哲男
出版元 沖積舎
頁数 306頁
発行日 2000-02
ISBN13 9784806046417
ISBN10 4806046418

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