歴史的理性の批判のために
一人の証言者も残さない徹底的な破壊を、歴史は想起できるのか。民族・国民の歴史が排除してきた「他者」を、歴史は回復できるのか―二〇世紀の廃墟のあとを生きる私たちは、近代の歴史的理性の限界を意識せざるをえない。しかしまさにそれゆえに、わたしたちは廃墟のあとの歴史・異他なる歴史の構想へと歩を進めることができるのだ。あらたな歴史の主体形成の可能性をサバルタンのなかに探る、二一世紀の歴史哲学への問い。
著者 | 上村忠男 |
出版元 | Iwanami Shoten |
頁数 | 267頁 |
発行日 | 2002-05-10 |
ISBN13 | 9784000025294 |
ISBN10 | 4000025295 |