批判感覚の再生

「批判」という語や営みが価値下落して久しい。かつて「批判精神」や「社会批判」がもっていた価値は地に墜ちたのか。いま日本社会には「批判」を許さない抑圧的な空気が社会に蔓延し、過激な保守言説が跋扈し、それが野放しにされている。現在のこうした閉塞的な状況は、どうして生じたのだろうか。本書は、いわゆるネオリベラリズムとその反動から生み出された現象として、とくに改憲案や、ポストモダン的とも言える新たな保守主義言説を取り上げ、その歴史的・社会的文脈を思想的に剔出。それらがバッシングの標的としている人権や民主主義の考え方の基本的な可能性について新たな展望を開く。
著者 藤本一勇
出版元 白澤社
頁数 190頁
発行日 2006-02

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