グラウンド・ゼロを書く

原爆文学とはなにか──「直視しがたいもの」を正面から見すえ,「沈黙でしか語りえないもの」を既成の言語によって語ろうとするその特質を分析した本書は,広島と長崎の文学を中心としながら,非被爆者の作品にも視野を広げ,文学史や文芸批評はもとより,哲学や精神分析学,歴史学や政治学,科学史の方法をも駆使して説得力ある議論を展開する.唯一の被爆国である日本の研究者が書きえなかった包括的かつ緻密な原爆文学研究の大著.

■本書に取り上げられた人々の中から■
アドルノ/いいだもも/井上光晴/井伏鱒二/江藤淳/大江健三郎/大岡信/大田洋子/小田切秀雄/小田実/カーモード/栗原貞子/黒古一夫/後藤みな子/佐多稲子/サルトル/志条みよ子/スタイナー/高橋和巳/竹西寛子/デリダ/峠三吉/永井隆/長岡弘芳/中上健次/野間宏/ハーシー/蜂谷道彦/林京子/原民喜/丸木位里/丸木俊/山本健吉/ラング/リフトン/他


著者 ジョン・W.トリート
出版元 法政大学出版局
頁数 654頁
発行日 2010-07
ISBN13 9784588470042
ISBN10 4588470043

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