ちょうちんそで
いい匂い。あの街の夕方の匂い―。些細なきっかけで、記憶は鮮明に甦る。雛子は「架空の妹」と昔話に興じ、そんな記憶で日常を満たしている。それ以外のすべて―たとえば穿鑿好きの隣人、たとえば息子たち、たとえば「現実の妹」―が心に入り込み、そして心を損なうことを慎重に避けながら。雛子の謎と人々の秘密が重なるとき、浮かぶものとは。心震わす“記憶と愛”の物語。
著者 | 高原明生 |
出版元 | 新潮社 |
頁数 | 240頁 |
発行日 | 2015-05 |
ISBN13 | 9784101339290 |
ISBN10 | 4101339295 |