還れぬ家
十代で捨てた家だった。姉も兄も寄りつかない家だった。老父は心臓病を患い、認知症が進む。老母は介護に疲弊していた。作家は妻とともに親を支えることになった。総合病院への入院も介護施設への入所も拒む父、世間体と因襲に縛られる母。父の死後、押し寄せた未曾有の震災。―作家は紡ぐ、ただ誠実に命の輪郭を紡ぎ出す。佐伯文学の結実を示す感動の傑作長編。毎日芸術賞受賞。
著者 | 久生十蘭 |
出版元 | 新潮社 |
頁数 | 573頁 |
発行日 | 2015-11 |
ISBN13 | 9784101342160 |
ISBN10 | 4101342164 |