精神疾患言説の歴史社会学
◆現代の「うつ病」流行にも示唆
ノイローゼ、うつ病などの「心の病」(精神疾患)には、あきらかに「流行」
があります。日露戦争前後に「神経衰弱」「ヒステリー」がはやり、大正期に
は「外傷性神経症」が現われ、第二次大戦後には「ノイローゼ」が大流行しま
した。このような流行はどのように発生し、流布したのでしょうか。日本近現
代の精神疾患についての言説を、『朝日新聞』『讀賣新聞』などの記事(生活
相談など)のなかにたどり、専門家集団(帝大を頂点とする精神医学者)、マ
スメディア(大衆紙)、患者の三者のダイナミズムをとおして形成される「流
行」が個人と社会・時代の関係の表現(社会認識)であること、そして精神疾
患(言説)の歴史をさぐることは「社会の境界(ゆらぎ)」を明らかにするこ
とであるという魅力的な主張が展開されます。気鋭の力作評論です。
ノイローゼ、うつ病などの「心の病」(精神疾患)には、あきらかに「流行」
があります。日露戦争前後に「神経衰弱」「ヒステリー」がはやり、大正期に
は「外傷性神経症」が現われ、第二次大戦後には「ノイローゼ」が大流行しま
した。このような流行はどのように発生し、流布したのでしょうか。日本近現
代の精神疾患についての言説を、『朝日新聞』『讀賣新聞』などの記事(生活
相談など)のなかにたどり、専門家集団(帝大を頂点とする精神医学者)、マ
スメディア(大衆紙)、患者の三者のダイナミズムをとおして形成される「流
行」が個人と社会・時代の関係の表現(社会認識)であること、そして精神疾
患(言説)の歴史をさぐることは「社会の境界(ゆらぎ)」を明らかにするこ
とであるという魅力的な主張が展開されます。気鋭の力作評論です。
著者 | 宇城輝人 |
出版元 | 新曜社 |
頁数 | 518頁 |
発行日 | 2013-03-28 |
ISBN13 | 9784788513341 |
ISBN10 | 478851334X |