アイヌのビーズ

約2万年前から現在に至る、さまざまな種類のビーズを写真と解説で紹介しながら、アイヌの社会の中でどのような役割を担ってきたのか、各専門家の多方面からの研究成果を収録する。

序章二万年のビーズアイランド

【第一部】 北海道およびその隣接地域におけるビーズの歩み
第1章北東アジア大陸部と北海道の旧石器時代ビーズ
第2章多様な素材と縄文・続縄文―北海道におけるガラスビーズ出現前夜の特徴とは何か
[コラム]弥生・古墳時代のビーズ
第3章ガラス玉の導入と流通
[コラム]交易と玉―元から明にかけて
第4章 「タマサイ」と「シトキ」の成立
第5章玉がつなぐアイヌと和人
[コラム]交易と玉―サンタン交易
[コラム]アイヌの物語のなかのタマサイ
第6章明治・大正・昭和時代の北海道のタマサイ―玉の素材、飾り方、役割
[コラム]樺太アイヌにとってのガラス玉・ビーズ
第7章アイヌのビーズを展示する―国立アイヌ民族博物館特別展(二〇二一)の事例から
[コラム]アイヌ民具収集とタマサイの価値観について―白老地区の聞き取りから
[コラム]タマサイが語るアイヌ文化
第8章タマサイの現在と未来
[コラム]グローバル時代のアイヌ工芸とビーズ

【第二部】 世界のなかのアイヌのビーズ
第9章 「文化圏」の視点でみるアイヌのビーズ
第10章動物皮からガラスビーズへ―北東アジア(ロシア)少数民族コリャ―ク
[コラム]北太平洋の毛皮交易とビーズ
第11章ビーズ素材とその変化―北アメリカ北方地域先住民
第12章ガラスビーズの伝統と創造―台湾原住民族パイワン
[コラム]現代に生きる貝ビーズ
第13章ビーズの生産と消費―南アジア
第14章 「記憶装置」としての首飾りのビーズアフリカの牧畜民サンブル
[コラム]ガラスビーズとアフリカ
[コラム]ビーズの歴史の終着点か

結論二万年にわたる美と祈りを求めて

※内は著者、敬称略