カメラを止めて書きます

特集上映「映画監督ヤンヨンヒと家族の肖像」2023年5月20日より開催

家族を撮り続けることは自分への問いかけ
ドキュメンタリー映画『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』『スープとイデオロギー』の監督ヤンヨンヒによる書き下ろしエッセイ

人々はヤンヨンヒについて「自分の家族の話をいつまで煮詰めているのだ。まだ搾り取るつもりか」と後ろ指をさすかもしれません。 しかし私ならヤンヨンヒにこう言います。「これからもさらに煮詰め、搾り取ってください」と。
ヤンヨンヒは引き続き煮詰め搾り出し、私たちはこれからも噛み締めなければなりません。
――映画監督パク・チャヌク
(『JSA』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』『お嬢さん』)

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「父の娘であること、兄たちの妹であること、女であること、在日コリアンであること、そのすべてから解放されたかった。家族にカメラを向けているのも、逃げずに向き合い、そして解放されたかったからである。(...)いくつもの手枷足枷でがんじがらめになっている自分が自由になるためには、自分にまとわりついているモノの正体を知る必要があった。知ってこそ、それらを脱ぎ捨てられるような気がしていた」
(本書より)

家族を撮ること――それは自分のバックグラウンドと広く深く向かい合うことだった。
映画監督ヤンヨンヒが、自らの家族にカメラを向けたのビハインドストーリーや、撮り続けるなかで感じる想いを、率直な語り口で綴ったエッセイ。
ヤン一家の話を通して、日本と朝鮮半島が歩んできた道、、そしてという存在を、見つめるきっかけになる一冊。

「日本と朝鮮半島の歴史と現状を全身に浴びながら生きてきた私の作品が、人々の中で語り合いが生まれる触媒になってほしい。そして私自身も触媒でありたい。生きている限り、伝え合うことを諦めたくないから」
(本書より)
著者 ヤン・ヨンヒ
出版元 クオン
頁数 256頁
発行日 2023-04
ISBN13 9784910214498
ISBN10 4910214496

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