丸山眞男との対話

"丸山眞男の最初の弟子として、1947年の第一回丸山ゼミに参加して以来、つねに丸山のそばで距離をとりつつみずからの政治学を実践してきた著者が、はじめて纏める論集である。 他者を理解するとはどういうことか--イラク戦争はじめ9・11以後の世界を生きるわれわれにとっての〈他者感覚〉の重要性を訴える書き下ろし「丸山眞男との未完の対話を持続するために」、60年代前半から、初期には藤田省三ともども丸山の死の直前まで一貫したテーマの下につづけてきた〈正統と異端〉研究会の詳細を描いた「『正統と異端』はなぜ未完に終ったか」、〈市民社会〉と〈国民国家〉を論じた丸山への問題提起の論文「丸山眞男と市民社会」、丸山没後にまとめた「日本政治思想史学における丸山眞男の位置」を中心に、その今日的意味を思考する。 その他、「丸山眞男と軍隊体験」「丸山眞男と日本の政治学」「『戦争責任論の盲点』の一背景」など全13編。近くにいた人間ならではの具体的な証言と研究者としての距離感がうまくブレンドされた、他の人には及ばない丸山の思想と人の姿を伝える。"--Publisher's description.
著者 石田雄
出版元 みすず書房
頁数 215頁
発行日 2005

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